最近テニスをしているとズキッと手首に痛みを感じることはありませんか?
テニスによる手首の怪我はプロ・アマチュア問わず頻繁に起こる障害です。
ただし、アマチュア特有の痛みの原因としてあげられるのが、今回取り上げるラケットの重さなどのスペックが自分の身体に合っていないというものです。
ラケットは重さ、バランス、フェイスの大きさ、厚さ、ストリングパターン、フレームの硬さ・形状等のスペックによって様々な特徴があり、自分のプレースタイル・技術力・体力にあっていないものを選ぶと怪我の原因になりうるのです。
特に、ラケットと接する手とそれを支える手首や肘の怪我はラケットのミスマッチが原因となることは少なくありません。
今回は、手首が痛くなる原因とラケットの重さの関係について解説したいと思います。
適正よりもラケットが重いと手首が痛くなる?痛みの原因と重量の関係
まず、手首に痛みを感じる原因について解説しましょう。
手首の怪我は大きく分けて痛みの出る箇所が小指側か親指側かによって分けられます。
手首の腱鞘が炎症を起こす腱鞘炎、三角繊維軟骨複合体が損傷するTFCC損傷などがテニスでは有名でしょう。
これらは、前腕の筋肉の過緊張によって腱が引っ張られたり、関節内の圧迫によって潰されたりして怪我になります。
自分の体力や技術力と合わないラケットを選んでしまうと、前腕の筋肉に疲労が蓄積したり、手首の関節に負担のかかる打ち方になったりしてしまいます。
自分の筋力にそぐわない重いラケットを使った場合、きちんと握るために前腕の筋肉が過剰に働いたり、重さに負けて手首がニュートラルではない角度(手首の小指側)に曲がったりします。
その状態でボールを打てば手首や肘に負担がかかるのは明らかでしょう。
例えば、初心者や子供がテニスをすると、テイクバックでラケットヘッドが下に落ちてしまうケースがあります。この場合はラケットの重さが適正ではなく、手首に負担がかかる打ち方になってしまうでしょう。
だから、その人に合ったラケットを使うことがパフォーマンスのアップだけでなく、怪我の予防にも重要なのです。
なぜテニスが上手な人は重いラケットを使っても怪我をしないの?
本筋とはズレますが、なぜテニスの上級者やプロは好んで重いラケットを使っているのかについても少し触れておきたいと思います。
これまでの話だと、軽いラケットを使った方が身体への負担は小さくなるからそっちの方が良いのではないかと思うでしょう。
しかし、結論から言うとテニスが上手な人はある程度重量のあるラケットを選んだ方が良いパフォーマンスを発揮することが出来ます。
なぜなら、テニスが上手な人とそうでない人ではスイングの構造が違うからです。
上手な人はラケットを腕の筋肉を使って振るのではなく、足が地面を蹴る力や身体の捻り戻しによる力を起点とした運動連鎖を使ってラケットを振り、初心者はラケットを腕の筋肉を使って振るからです。
言い換えるならば、上手い人はラケット自体の重さを生かしてスイングをし、そうでない人はラケットの重さがスイングの障害になっているということです。
練習を続けていけばある程度運動に身体が適応し、各部位の筋肉の緊張と緩和のリズムが整って、全身を使ったスイングが出来るようになります。
だから、その段階に応じてラケットのスペックも変えていくと、スムーズに怪我無く上達することが出来るでしょう。
まとめ
ラケットはテニスにおいても最も重要な道具です。
特に、身体の発育時期にあるジュニア選手やテニスをはじめたばかりの初心者はその段階に合ったラケットを選びましょう。
基本的には、それぞれのテニスショップで自分に適正なラケットはどれかを相談するといいでしょう。
一概に重さといっても、ラケットの重量だけでなく重心のあるポイント(バランス)なども関わってくるので、専門家に尋ねることをおすすめします。
くれぐれも「いずれ大きくなるから」、「いずれ上手になるから」と言って合わないラケットを選んではいけません。
きちんと相談して、自分に合ったスペックのものを選びましょう。
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