テニスのシングルスは、1対1で戦う種目であるがゆえに、自らの技術や戦術が直接結果に結びつきます。
そのため、自らのプレーの引き出しを数多く持ち、それを適切なポイントで発揮する必要があります。
普段の練習で「自分の展開パターン」をいくつか作っておくことで、迷わずプレーをすることができるでしょう。
今回は、試合でも即使えるテニスのシングルスの戦術パターンとそれを身につけるための練習法について紹介していきたいと思います。
ここで紹介するのはあくまでも一例なので、慣れてきたら自分なりにアレンジして戦術の幅を拡げるように努力しましょう。
目次
テニスのシングルスの戦術練習メニュー:サーブ・レシーブ
まずは、戦術云々のまえにサーブ・レシーブをミスなく打てるようになる必要があります。
なぜなら、それらをクリアできなければ試合が始まらないからです。
ラリーの組み立ての練習をして試合に臨んだもののサーブ・レシーブでミスが出てしまい、結局力を発揮できなかったなんてことはよくあることです。
サーブで相手の体勢を崩したりコートの外に追い出したりすることができれば、レシーブでコート深くに安定したボールを返すことができれば、自分の展開やパターンに持っていくことができるのです。
また、サーバーに関して言えば、レシーブ後の3球目のショットの精度も主導権を握り続けるためには必要です。
つまり、サーブ・リターン・3球目のショットのレベルアップこそ、シングルスの戦術を身に付けるためには不可欠だということです。
では、練習方法を紹介したいと思います。
サーブとレシーブとその次のボール(3球目)までを1セットとして練習を行います。
サーバーは、コース・球種・ファースト/セカンドなどを打ち分け、そのレシーブに対して3球目をオープンコートに攻撃するというパターンを反復しましょう。
王道は、ファーストサーブをワイドに打って相手をコートの外に追い出してから3球目をオープンコートに展開するという「V字攻撃」です。
サーバーの役割は攻撃なので、サーブできちんと相手の体勢を崩し、3球目で相手を動かすという戦略をイメージしてプレーをしましょう。
これに対してレシーバーは、サーブを確率良くコートに返球することを軸に、ファーストサーブであれば攻撃されにくいレシーブ(例:深い相手の足元など)、セカンドサーブであれば攻撃的なレシーブ(例:コートの中にステップインして叩くなど)を練習しましょう。
レシーバーは守備であることを念頭に置き、守備から中間に戻すような意識を持って練習しましょう。決してエースを狙いにいくような練習にならないように気をつけましょう。
また、サーバーの3球目の練習として、サーブの素振りをした直後にレシーバーから球出しをするというメニューも良いでしょう。
テニスのシングルスの戦術練習メニュー:1on1ラリー
サーブとレシーブが安定してきたら、今度は3球目以降のラリー練習になります。
最もオーソドックスなのは1対1のラリー練習です。
試合で、自分も相手もサーブ・レシーブが安定している場合、次に勝敗を分ける要因はラリーのレベルになります。
1対1のラリーは、普段の練習でも最も多く活用する練習方法です。
先に紹介したサーブ・レシーブ後の展開を練習するなら、このメニューがおすすめです。
1プレー毎に自分がどのようなパターンで得点していくのかをイメージした上で、球出しからラリー練習を行うようにしましょう。
コートの大きさについては、最初半面から初めて慣れてきたら1面にしても構いませんし、ルールに応じて変えても良いでしょう。
ルールについては、中間・攻撃・守備のいずれかからスタートするようにルール付けをすると良いです。
例えば、中間スタートのルールは、どちらかのボールが浅くなったらあるいはコート中央やストレートに返ったら、もう一方がオープンコートに展開するという形の練習になります。
攻撃スタートのルールでは、チャンスボールからスタートしてネットプレーにうつり決め切るという展開の練習になります。
守備スタートのルールでは、コートの端からスタートして走らされたところから中間に戻すという展開の練習を行います。
テニスのシングルスの戦術練習メニュー:2on1ラリー
1on1ラリーで十分なラリーができるようになれば、今度はよりハードルの高い練習をしていきます。
2対1のラリーはシングルスの練習でより負荷をかけるための練習メニューです。
練習は、自分よりもレベルの高い選手に勝つためにするものです。そのために2on1のラリーで高負荷をかけて練習します。
格上の選手を相手にすると自分の中でエースを取れるようなベストショットを打ってもきっちりボールは返ってきますし、こちらが攻撃を仕掛けられないような深いショットやコースを突いたショットを打ち込まれます。
そこで、こういった相手とも対峙できるよう、練習で負荷をかける必要があるのです。
格上とのプレーをこのような練習で疑似的に作り出し、本番でも対応できるようにしておくことが重要なのです。
1面に2人対1人で入り、2ストローク対1ストローク(中間)・2ボレー対1ストローク(守備)、2ストローク対1ボレー(攻撃)の練習を行います。
2人の方は、常に1つのプレーを2人で作るという意識を持つことが重要です。2人でシード選手や格上選手1人の役目を果たすので、1人当たりの範囲が半面だからこそ出来るはやい攻撃や完璧な守備をしましょう。
ただひたすら1人を振り回すのではなく、2人で1プレーを完成させるような意識付けが重要です。
1人の方は、いつもより1段階無理をしてプレーする意識してプレーしてください。
もちろん、無理をしてミスだらけになってしまっては元も子もありませんが、いつもより少し攻撃のボールのタイミング・スピードをはやく、いつもより少し中間のボールを深く、いつもより少し守備のボールを深くする意識を持ちましょう。
そうすることで、試合で格上選手と当たってもうろたえることはないでしょう。
2人を1人と捉えて展開の練習をすると最も効果の高い練習になるでしょう。
テニスのシングルスの戦術練習メニュー:練習試合・ポイント練習
サーブとレシーブ、ラリーが整ってきたら、今度はこれらを繋げて練習しましょう。
それが練習試合やポイント練習です。
これまでの練習の成果を出すための練習として扱うのも良いと思います。
練習の初めにやって課題を洗い出すために実施する場合もあります。
試合と同じようにルールをフリーで行ったり、サーブやポイント序盤のプレーにルールをつけたりすると良いでしょう。
フリーの場合は、戦い方が身についているかを確かめたり、ポイントに応じて様々なプレーを試したりしましょう。
ルール付きの場合は、そのルールに則って質の高いプレーをすることを意識しましょう。(例:ファーストサーブをワイド縛り、セカンドサーブのみ、サーブの次の球を必ずオープンコートなど)
このような練習をすることで、試合で使えるシングルスの戦術を身に付けることが出来るでしょう。
まとめ
シングルスで勝ちにこだわるなら、自信が持てるような安定した展開パターンを2〜3つ持っている方が良いです。
「ワイドサーブからのオープンコートへの3球目攻撃」、「クロスラリーで粘って相手にストレートに打たせてオープンコートに切り返すカウンター攻撃」、「あえて短いスライスを打って相手に万全でない体勢で打たせてパッシングで抜く」など、テニスのセオリーに反さない範囲で自分が自信のあるショットを中心に戦い方を考えると良いでしょう。
また、いくらラリーでの展開を磨いても、サーブ・レシーブがうまくいかなければ意味がないということは忘れずに、毎回の練習でサーブとレシーブはメニューに入れるようにしましょう。
そうすることで実際に試合で使える練習を行うことができるでしょう。
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