テニスにおけるトレーニングの中でも体幹トレーニングと呼ばれている、腹筋や背筋の筋トレはとても重要視されています。
体幹のトレーニングメニューは、近年数多く生み出されており、その競技特性に合った方法が採用されています。
テニスにおいて体幹を強化することで、左右前後に振り回されてもスイングがぶれなくなったり、サーブやストロークで体軸がぶれなくなりスイングスピードが上がったりする効果を得ることが出来ます。
しかし、先にも述べたようにやたらめったら腹筋や背筋をやるよりは、きちんと競技特性を理解したうえで鍛えることが重要です。
とにかく回数をこなすだけのトレーニング、器具に頼りきりのトレーニング、腹筋・背筋・腹斜筋などの部位を考えていないトレーニングなど…。
体のバランスを強化するはずが、逆に怪我の原因になってしまうなんてこともあるのです。
今回はテニスに効果のある腹筋・背筋の基礎的な体幹トレーニングメニューを解説したいと思います。
家でできる!テニスの上達につながる腹筋・背筋のトレーニング方法
テニスが上手くなるために家でできることありませんか?
これはテニスコーチであれば誰もが聞かれる質問です。
僕は、素振りをおすすめしていますが、それ以外であればこれから紹介する体幹トレーニングなどの自重トレーニングをおすすめしています。
自重のみのトレーニングは怪我をしにくいだけでなく、自分の身体をイメージ通りに動かすための良い訓練になります。
それでは具体的にテニスに生かせる腹筋・背筋の筋トレメニューについて解説しましょう。
体幹トレーニングメニュー:腹筋
冒頭で述べたように体幹の一部である腹筋(腹直筋・腹斜筋)を鍛える方法は山ほどあります。
しかし、どの方法についても共通して言えることは腹筋を鍛えるなら腹筋の上部・下部・側部の3つの部分に分けてトレーニングすべきだということです。
なぜなら、一概に腹筋といっても人によって上部は強いけど下部は弱かったり、腹直筋は強いけど腹斜筋は弱かったりすることがあるからです。
特にテニスにおいてはどの筋肉もそれぞれに重要な役割を果たすので、バランスよく強化する必要があります。
まず、腹筋の上部(みぞおちからへそまで)のトレーニング法について解説します。
腹筋の上部を鍛えるには仰向けに寝て、股関節・膝を90度に曲げます。
その状態で腰が地面から浮かないように押し付けるイメージのまま、頭の後ろで手を組んでおへそを見るように丸まります。
このときに、みぞおちからへその距離を縮めるように意識し、上体は肩甲骨が完全に浮くところまで上げましょう。
十分に腹筋上部に負荷がかかったら、それが抜けないように肩甲骨の下側が地面に触れるくらいまで状態を下ろし、また上体を上げるのを繰り返しましょう。
次に、腹筋の下腹部(へそから太ももの付け根)のトレーニング法について解説します。
腹筋の下部は仰向けに寝て、腰が反って浮かないように地面に押しつけたまま足を伸ばして上げ下げする動作が効果的です。
足の重さによる負荷をきちんと制御しながら、ゆっくりと45度くらいまで股関節を支点として足を上げ、地面に足がつかないようにギリギリまで下ろすのを繰り返します。
きちんと足を伸ばしてゆっくりと上下するのがポイントです。
最後に、腹斜筋(体側から腹直筋まで)のトレーニング法について解説します。
腹側部の筋肉の筋トレは仰向けに寝て、手を頭の後ろで組んだ状態から始めます。
そのまま上体と足を持ち上げ、捻りを入れながら右肘と左膝を近づけます。
その後、肩甲骨の下部が地面につくまで、足がギリギリ地面につかないところまで下ろし、左肘と右膝を近づけます。
これを繰り返すことで腹斜筋を鍛えることが出来ます。
特に捻りを意識して取り組みましょう。
このように、腹筋は3種類に分けて鍛えることがポイントです。
回数やセット数は10~20回程度を3~5セット行うといいですが、あまりこの回数にはとらわれず身体をきちんと制御できる回数行うことが大切です。
体幹トレーニングメニュー:背筋
テニスにおいて背筋の役割は、体軸のバランスを取ること、スイングの支点となる肩甲骨を安定して動かすことです。
テニスは左右非対称な動作をするスポーツなので、特に背筋の付き方は左右でバランスが崩れることが多いです。そのため、トレーニングではその左右差を減らしバランスよく鍛えることが重要です。
背筋も腹筋と同じように上部・下部・捻りと分けてトレーニングすると良いでしょう。
まずは、背筋上部のトレーニング方法について解説します。
うつぶせになり万歳の状態から上体のみを持ち上げながら、それと同時に肘を後ろに引き肩甲骨を寄せます。
その後、ゆっくりと上体を下ろしながら肩甲骨を開き、地面につく直前でまた上体を持ち上げ肩甲骨を寄せます。
これを繰り返すことで背筋の肩甲骨周りの筋肉を鍛えることが出来ます。
次に、背筋下部のトレーニング方法について解説します。
うつぶせになり骨盤を支点に下半身のみを持ち上げます。なるべく太ももの付け根から持ち上げるように意識します。
その後、ゆっくりと足を下ろし、地面につく直前でまた下半身を持ち上げます。
これを繰り返すことで腰周りの筋肉を鍛えることが出来ます。
最後に背筋の捻りのトレーニング方法について解説します。
うつぶせになり万歳の状態から、右手と左足を背中の筋肉主導で持ち上げ下ろし、左手と右足を持ち上げ下ろしを繰り返します。
なるべく手足は地面に着けずに、腰を反るというよりは持ち上げる手足が上下に引っ張られるようなイメージで行うと良いでしょう。
このように、背筋も腹筋と同じように3種類に分けて鍛えることが重要です。
回数やセット数は10~20回程度を3~5セット行うといいですが、あまりこの回数にはとらわれず身体をきちんと制御できる回数行うことが大切です。
まとめ
腹筋や背筋は身体の幹ともいえる筋肉なので、鍛えることでテニスだけでなく実生活でもきれいな姿勢を保つことが出来るようになります。
どうしても家事や仕事で猫背になってしまうという方は、気づいたときに肩甲骨を寄せるような運動をすると良いでしょう。
また、テニスはどうしても左右非対称に使う運動なので、バランスが崩れやすくなります。
今回紹介したようなトレーニングによってバランスを整えることはパフォーマンスアップだけでなく、怪我の予防にもつながるので、ぜひ取り組んでみてください。
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