バックハンドストロークはテニス初心者のほとんどがフォアハンドストロークの次に習うショットです。
片手バックハンドストロークは、ベースラインプレーに多彩な変化を与える重要なショットの1つと言えるでしょう。
そのため、理にかなったフォームをしていなければスピード・回転量などの威力やコントロールが安定せず、試合の主導権を相手に渡すことになってしまいます。
片手打ちは両手打ちと比べて、見た目がスマートで格好いいですが、安定感を出すのが難しいショットでもあります。
もし、あなたが「ショットがなかなか安定しない。」、「うまく力が入らない。」、「トップスピンやスライスのかけ方がわからない。」などの悩みを抱えているなら、一度基本に立ち返る必要があるでしょう。
今回は、片手打ちバックハンドストロークので押さえておくべき基本3ポイントについて解説をします。
では、内容に入っていきましょう。
目次
テニスにおける片手打ちバックハンドストロークの役割とは?
まず、本題に入る前にそもそも片手打ちバックハンドストロークはテニスにおいてどのような役割を担うべきショットなのかを考えてみましょう。
なぜなら、テニスにおいて「技術」は「戦術」を遂行するための手段であり、「戦術」は試合に勝つための手段に過ぎないからです。
どうしても練習というと技術を身に付けることが目的化してしまい、本来のあるべき目的を見失いがちです。
その技術を身に付けてどのように使うのかを最初にはっきりさせておかないと間違ったゴールに向かってスタートをきることになるのです。
片手打ちバックハンドストロークは、テニスにおいて主に攻撃・中間・守備の全ての状況において多彩なバリュエーションをもたらす役割を持ちます。
最近は多くの人が両手打ちバックハンドストロークを採用しているため、バックハンドストロークが安定感重視になるケースが多くなっています。
両手打ちの場合、片手打ちよりもスイング運動が安定しやすく、スイングの再現性が高まり、安定した打球を生み出すことが出来ます。
一方で、片手打ちの方がスイング運動の自由度が高いので、スイングにアレンジを加えやすい=回転・スピード・コース等の変化をつけやすいという大きなメリットがあります。
つまり、片手打ちバックハンドストロークでは、様々な種類のショットを繰り出せるようなフォームを身に付けることがテニスの道理に合った打ち方だと言えるのです。
テニスの片手打ちバックハンドストロークでおさえるべき基本とは?
では、本題に入りたいと思います。
僕は、打ち方のチェックポイントとして、以下の3つの要素を大切にしています。
- 再現性が高いフォームであること
- エネルギー効率の良いフォームであること
- 状況に関わらず効果的なショットを生み出せるフォームであること
では、これらを頭の片隅において具体的な打ち方の解説をしていきましょう。(以下は、右利き片手打ちのバックハンドストロークと仮定して解説します。)
テニスの片手打ちバックハンドストロークのグリップの握り方
テニスでは、どのような状況でも効果的なショットを確率良く打てるグリップの握り方が求められます。
グリップの握りは許容範囲内に収まっていることが重要です。
グリップの許容範囲は、バックハンドイースタングリップ~バックハンドセミウエスタングリップだと考えています。
根拠としては、手首や肘などの関節やその動きに関与する筋肉に無理なく理想的な打球面を作りやすいことが挙げられます。
片手打ちバックハンドストロークの場合、手首はジャンケンのグ―、肘はほぼ真っ直ぐの状態でインパクトを迎えるのが理想的です。
グリップの握りが許容範囲から外れると、理想的な打球面を作るために手首を背屈・掌屈させたり、肘を曲げ伸ばししたりして、複雑な関節角度に固定しなくてはいけなくなります。
また、右手の小指がグリップエンドのヒール(グリップ下端の出っ張り)から外れるような持ち方をしている人を見かけますが、ラケット面が不安定になるのであまり感心しません。右手の小指がヒールにかかるように握りましょう。
つまり、シンプルに理想的な打球面が作れる=確率良く狙ったところにボールを打てるので、グリップの握りは先に述べた許容範囲内に収めるべきなのです。
テニスの片手打ちバックハンドストロークのテイクバックのやり方
理想的な打ち方をするためには、どのような条件下でも確率良く適した打球面が円滑な運動連鎖によって出てきやすいテイクバックが求められます。
テニスでは、テイクバックは再現性の高いシンプルな構造であることが重要です。
テイクバックは軸足の股関節を内転によって上半身の自然なターン(肩を入れる動作)が起こるのが理想です。
また、バックハンドストロークのテイクバックにおいて上半身はリラックスし、左手を添えたまま構えの形をキープして置いておくイメージが重要です。
手でラケットを引くのではなく股関節から生まれる自然なターンで肩が入り、背中がやや相手向きになるようにテイクバックを行いましょう。
手でラケットを引く=手でラケットをスイングすることになるので、パワーロスや不安定なショットになりやすいのです。
つまり、テイクバックは手で引くものではなく、軸足のタメと同時に起こる上半身のターンによって起こるものであると意識しておくと良いでしょう。
テニスの片手打ちバックハンドストロークの基本:打点
テニスでは、どのような状況でも効果的なショットを確率良く打てる打点が求められます。
打点で打球方向・スピード・回転方向・回転量(スピン)などのショットの良し悪しが全て決まります。
打点は、地面と垂直からわずかに下向きのラケット面で重心よりも前(ネット側)で取ることが重要です。
なぜなら、1)ボールを相手コートに返すためには先に述べたラケット面の角度になることが合理的だから、2)人は身体の前面側でなくては効果的に力を発揮することが出来ないからです。
前者は、そのままなのでこれ以上の解説は必要ないと思います。
ラケット面はボールの入射角と反射角を踏まえて、先に挙げた角度でボールと衝突することが理想的です。
後者は、なにか物を押す場面を考えるとわかりやすいでしょう。
人は必ず肩-肘-手が身体の前側(視界に入る空間)に位置する状態で物を押すでしょう。なぜなら、身体の前側が1番力を発揮しやすいことを知っているからです。
肘が背中の後ろ側に入り、打点が重心よりも後ろ側になると大きなロスになってしまうのです。
また、打点の高さや遠近はグリップの握り方によって変わるので、一概には言えませんが、グリップの握りが厚いほど高い・近い、グリップの握りが薄いほど低い・遠いになります。
ただ、強いて言うならば、片手バックハンドストロークは、フォアハンドストロークや両手バックハンドストロークと比べて高い打点が打ちにくい傾向にあるので、肩よりも高い打点にならないように意識すべきでしょう。(肩より高い打点はスライスで処理すると良いでしょう。)
このように、ショットの全てを決める打点は地面と垂直からやや下向きのラケット面が身体の前側(ネット側)に出てくるようにすべきなのです。
まとめ
バックハンドをより良くしたいなら「グリップの握り方」、「テイクバックのやり方」、「打点の取り方」の3ポイントは押さえるようにしましょう。
どのショットにも必ずその人の個性があって良いとは思いますが、テニスというスポーツの性質上これだけは外せない基本というものがあります。
もちろん、根本的な技術の修正には時間がかかります。
ただ、それが出来るようになったときには、きっと「やって良かった!」と思えるはずです。
ぜひ、この3つの基本を押さえてよりよいバックハンドストロークを目指してみてください。
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