競技テニスに打ち込むジュニアテニス選手は、まだ骨・関節・筋肉が未発達の状態なので、怪我をするリスクが高くなります。
オーバーユースによって膝や踵などの成長痛が悪化するケースは度々見られますが、それ以上に大きな怪我になってしまうケースも少なくありません。
今回はテニスに打ち込む10代(小学生・中学生・高校生)に多い腰椎分離辷り症や軽度の椎間板ヘルニアなどの腰の痛みを発症する怪我について原因とその対処法について解説します。
成長期や思春期を迎え心身共にバランスを保つのが難しい時期を迎える10代のジュニア選手は、大人以上に怪我に対する意識を持っておくことが重要なのです。
10代(小学生・中学生・高校生)の子供が身体に痛みを感じる理由
競技テニスに打ち込む10代のテニス選手は、子供と大人の境目に位置し、心身共に不安定な状態にあります。
また、小学校低学年(場合によっては未就学児)からテニスを始め、高校卒業の18歳まで選手として活動を続ければ身体に蓄積されたダメージやゆがみは相当なものになります。
骨や筋肉は成長期に適度な刺激を与えることで長さが伸びたり、強度が増したりします。
そのため、子供のうちに様々な運動や遊びをしておくべきです。
しかし、過剰な刺激が加わるとまだ未熟な身体は痛めつけられてしまいます。
例えば、小さなころから競技テニスに打ち込んできた人は大人になったときに「気を付け」の姿勢をすると、効き手側の肩と逆の方の高さが違うケースは多々あります。
これは子供のころにテニスという左右非対称なスポーツに打ち込んだことが原因といえるでしょう。
このように、子供の身体にとって適度な刺激は必要不可欠ではあるものの、それを超えた刺激は怪我の原因になるのです。
10代で腰痛!?ジュニアテニス選手が腰の痛みを訴える原因と対策
では、本題の子供の腰痛について解説しましょう。
成長期を迎える子供は、骨は成長するために柔らかく、筋肉は骨の成長に合わせて引き伸ばされて硬くなりやすいので、最も怪我をしやすい状況になります。
そのため、テニスの練習やトレーニングによって強い負荷がかかると、骨盤周りの筋肉(太もも・お尻・腰・背中など)が柔軟性を失い腰痛を引き起こしたり、衝撃に耐えられなくなった腰椎が疲労骨折を起こして腰椎分離辷り症になったりしてしまうのです。
前者の筋肉の柔軟性の低下による腰痛であれば、テニスを続けながら、適切なストレッチやマッサージをし、硬くなりやすい筋肉をほぐすことで解消します。
練習・トレーニング後や入浴後に必ずストレッチやマッサージを行うことを習慣化することで腰の痛みが起こらない、強さとしなやかさを兼ね備えた身体を作ることが出来るでしょう。
しかし、後者の腰椎分離症(疲労骨折)のようないわゆる怪我の場合は、精密検査(MRIなど)や休養が必要になります。
経過観察を行い、医師やトレーナーと相談しながらリハビリやトレーニングを行い、競技に復帰することになります。
このように、10代の身体は腰痛を引き起こしやすい要因を抱えているのです。
このことを理解しておけば、日頃のケアや練習・トレーニングのやりすぎを回避することが出来るでしょう。
まとめ
日々ハードワークをしている多くのトップジュニア選手はこのような怪我を経験し、ある一定の期間は練習を出来なくなります。
一定期間練習を出来ないと、怪我以前の競技レベルに戻すまでに約2~3倍の時間がかかります。
時間がかかるだけでなく、「前に出来ていたことが出来ない」という大きなストレスとの闘いにもなります。
だから、怪我をしないようにきちんと対策をしましょう。
とはいっても、その重要性に気付くのは怪我を経験してからだったりもします。
多くの選手は怪我を経験して、体調の自己管理やケアの大切さを学びます。
だから、怪我をしたら自分の身体と向き合うチャンスだと前向きにとらえるようにしましょう。
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