ふくらはぎを鍛えることはテニスをプレーするうえでとても重要なことのひとつです。
ふくらはぎは筋力や柔軟性を失うと肉離れや痙攣をおこしやすい部位であるだけでなく、足に降りてきた血液を心臓に戻すポンプの役割を果たす「第二の心臓」と呼ばれる大切な部位でもあります。
また、足首より下の動きを司る筋肉なので、フットワークを良くしたいという方にとっても大切な筋肉です。
ふくらはぎは、チューブやウェイトなどのトレーニング器具を使ったジムでのトレーニングだけでなく、自重トレーニングやなわとびなど手軽に鍛えることが出来ます。
テニスは1~3セット動き続けなくてはいけないタフなスポーツですので、正しい方法でふくらはぎを鍛えましょう。
今回は、テニスの上達や怪我予防につながる正しいふくらはぎのトレーニング方法を解説したいと思います。
目次
テニスの上達におけるふくらはぎのトレーニングの必要性と効果について
まず、本題に入るまえに「テニスにトレーニングは必要なのか?」という重要な議論をしておきたいと思います。
僕は、ある一定以上のレベルを目指すならばトレーニングは絶対に必要だと考えています。
週1~2回程度テニスをするウィークエンドプレーヤーにトレーニングは必要ありません。なぜならトレーニングをするくらいならテニスをした方が確実に上達するからです。
しかし、試合に出て勝ちたいと思っている週3回以上練習をしているプレーヤーは、ジュニア・一般・シニアや男子・女子問わず強度は別として身体づくりに取り組む必要があるでしょう。
なぜなら、トレーニングをすることで1)身体が強くなる・身体の使い方が上手くなるから、2)負荷のかかる練習に取り組めるようになるからです。
まず、トレーニングに取り組むことで身体を強化したり、その使い方を覚えたりする効果が期待できます。
ふくらはぎであればトレーニングすることでより俊敏なフットワークや、長時間のプレーにも耐えられる体力を手に入れることが出来ます。
また、トレーニングをすることで身体が強化され、負荷の強い練習=強い相手を想定した練習をきちんとこなせるようになる効果が期待できます。
例えば、ふくらはぎを強化することで左右前後の振り回しなどの強度の高い練習が可能になり、高いレベルで練習をすることが出来るでしょう。
僕は、前者よりも後者の理由でトレーニングをすることをおすすめしています。
このように、テニスの上達においてトレーニングは身体を強化し、より強度の高い練習に取り組めるようになる効果が期待できるのです。
フットワークの上達につながるふくらはぎの筋トレ・トレーニングメニュー(動画付き)
ここからは具体的にふくらはぎの筋トレ・トレーニングメニューを動画付きで紹介していきます。(動画は全てYoutubeから参照しています。)
また、それぞれのトレーニングメニューによってどのような効果を得られるのかも解説します。
どれも特別高価な器具を必要とせず、家でも出来る簡単なトレーニングなので、継続して取り組んでみましょう。
※既にふくらはぎが痛い方や怪我をしている方はこのトレーニングを行わないでください。
※あくまでも選手・コーチとしての経験と知識でおすすめしています。より詳しくトレーニングを学びたい方はジムやテニススクールのトレーナーにご相談ください。
テニスのふくらはぎのトレーニングメニュー:カーフレイズ(膝伸展位)
鍛えられる筋肉:ヒラメ筋・腓腹筋など
必要な器具:ダンベル(水を入れたペットボトルで代用可能)もしくは自重
※重さは「回数・セット数」をぎりぎりできる重さに設定しましょう。
回数・セット数:負荷あり 10~12回×1~3セット、自重 30回×1~3セット
重りを持ちかかとを上下運動するトレーニングです。
注意点は、1)足首を大きく動かすこと、2)しっかりと筋肉を収縮させること、3)下ろすときはゆっくりと下ろすこと、4)膝をしっかりと伸ばすことです。
カーフレイズでふくらはぎを強化することで得られるテニスへの効果
〇サーブ
地面の蹴り上げによって大きな原動力を生み出すことが出来るようになる。
〇フォアハンドストローク
地面の蹴り上げによって大きな原動力を生み出すことが出来るようになる。フットワークが良くなる。
〇バックハンドストローク
地面の蹴り上げによって大きな原動力を生み出すことが出来るようになる。フットワークが良くなる。
〇ボレー
瞬発的な反応ができるようになる。フットワークが良くなる。
テニスのふくらはぎのトレーニングメニュー:カーフレイズ(膝屈曲位)
※先ほどのカーフレイズの膝を軽く曲げるバージョンです。よりヒラメ筋に効かせることが出来ます。
鍛えられる筋肉:ヒラメ筋・腓腹筋など
必要な器具:ダンベル(水を入れたペットボトルで代用可能)もしくは自重
※重さは「回数・セット数」をぎりぎりできる重さに設定しましょう。
回数・セット数:負荷あり 10~12回×1~3セット、自重 30回×1~3セット
重りを持ちかかとを上下運動するトレーニングです。
注意点は、1)足首を大きく動かすこと、2)しっかりと筋肉を収縮させること、3)下ろすときはゆっくりと下ろすこと、4)膝を適度に曲げる(30~60度)ことです。
テニスのふくらはぎのトレーニングメニュー:なわとび
鍛えられる筋肉:ヒラメ筋・腓腹筋など
必要な器具:なわとび
回数・セット数:前とび100回×5~10セット、二重とび 限界×1~3セット
皆さんご存じのなわとびです。僕は1番テニスに向いているトレーニングだと思います。
注意点は、1)リズムよくとぶこと、2)連続でとぶこと、3)かかとを上げることです。
なわとびでふくらはぎを強化することで得られるテニスへの効果
〇サーブ
地面の蹴り上げによって大きな原動力を生み出すことが出来るようになる。
〇フォアハンドストローク
地面の蹴り上げによって大きな原動力を生み出すことが出来るようになる。リズミカルなフットワークを身につけられる。
〇バックハンドストローク
地面の蹴り上げによって大きな原動力を生み出すことが出来るようになる。リズミカルなフットワークを身につけられる。
〇ボレー
瞬発的な反応ができるようになる。リズミカルなフットワークを身につけられる。
テニスのふくらはぎのストレッチ・筋膜リリースメニュー
伸びる筋肉:ヒラメ筋・腓腹筋など
必要な器具:テニスボール、ストレッチポール、筋膜リリースローラー、段差など
回数・セット数:-
ふくらはぎの筋肉群を伸ばす、ほぐすストレッチです。
ふくらはぎの柔軟性を高めることで痙攣や肉離れを防げるだけでなく、足首や膝にかかる負担を軽減することが出来ます。
トレーニング後やテニスの練習後にこのストレッチを行うと良いでしょう。
まとめ
このように、ふくらはぎのトレーニング方法はシンプルなものが多いので、誰でも簡単に始めることが出来るでしょう。
特に、なわとびはテニスのフットワーク向上に大きく貢献してくれるでしょう
また、ふくらはぎを鍛えるとこむら返りや貧血などの日常生活における不調にも効果があります。
もちろん、身体づくりにはトレーニングに加えて、休息や食事が重要になります。
特にジュニア世代の選手は後者をないがしろにせず、きちんと計画的に身体を鍛えましょう。
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